COTTON TOPICSバックナンバー

【2014 AUTUMN】


クラボウ

より深く、濃く。美しく澄んだ濃色を綿ベース素材で表現!
「DEEP TONETM(ディープトーンTM)」

 クラボウから、美しく澄んだ濃色を表現した綿ベースの新素材「DEEP TONE TM(ディープトーンTM)」が開発された。このブランドは、営業、技術、徳島工場が素材企画を行う徳島プロジェクトの一環で、「美しさのある濃色」を追求した素材だ。深く濃く澄んだ色表現で、今までにない艶(あで)やかな表情にまで高めたラグジュアリー深(しん)色(しょく)素材として、今注目を集めている。
 同社によると「従来、綿繊維を黒や紺などの濃色に染めると、濃度に限界があり、どうしても浅い色味傾向になっていた。同じ黒でも“黒の中の黒”を染色で表現することは困難でなかなか実現できなかった」という。
 この開発は、技術者魂の見せ所だった。まず技術者たちは、着物の染付や漆器の色つけなど、和の匠の技から発想を得て、濃色染めの方法に工夫を重ねた。そのうえで、単に深く濃いだけではなく「くすませない」発色に注力した。その結果、美しくくすみのない染色方法を確立。しかも、耐洗濯性や摩擦による色落ちなどの堅牢度も、従来の染色方法と同程度を確保し、綿のソフトな風合いも兼ね備えた「DEEP TONE TM」が完成した。
 色の濃淡を評価するL値(※)の測定では、一般的な綿の濃色ブラック染めの約18に比べ、「DEEP TONE TM」の数値は13以下、生地組織によっては12をマークし、“綿の染色では、ほぼ限界に近い黒”を実現した。
 「DEEP TONE TM」は、織組織や起毛やカレンダー(艶出し)などの表面加工の組み合わせによって生地の質感を変化させると、色の表情が広がる。上質感のある綿素材として商品のグレードアップをはかることができ、深みのある黒で魅せるレディスのエレガントな装いや、上品なビジネススーツ、フォーマルウエアなどへの用途の広がりに期待が高まっている。また、黒以外の様々な濃色展開により、ラグジュアリーなアイテムにも最適な素材となりそうだ。

※L値:光の反射率の大きさにより色の明度を評価する値で、数値が低いほど濃いことを示す。

 

   問合せ先: クラボウ 大阪本社 営業統括部 マーケティンググループ 
           電話:06-6266-5303  http://www.kurabo.co.jp/cotton




フジボウアパレル

白さが際立つ、本物の心地よさ
BVD Ⓡ「HADA MEN (肌綿)」

 いくつになっても若々しいエイジレスな中高年「新大人世代」に向けて、「BVDⓇ」から新ライン「HADA MEN (肌綿)」が登場した。
 素材には、高級超長綿をフジボウ独自に贅沢にブレンドした綿糸を使用。光沢のある柔らかな綿で、吸湿性が高く、しなやかな肌触りが自慢だ。他のBVDⓇ商品に比べて若干生地を薄めに仕上げ、オールシーズン着用できる生地厚になっている。
 商品の特長は、まず「際立つ白さ」にある。消費者の買い替え理由として二人に一人が「黄ばみと変色」を挙げていることに着目して開発され、白度の高い生地を採用することで、洗濯を繰り返しても白さが長持ちする。
 次にこだわったのは「本物の心地よさ」。よりソフトな肌触りが市場で好まれる傾向から、肌触りを重視し、体にまとった瞬間に心地よさが伝わる風合いを実現した。特殊な加工で生地表面の毛羽を取り除いているので、洗濯を重ねても生地表面の滑らかさ、柔らかさは長持ちするという。最近の肌着にはもはやマストとなる抗菌防臭加工もついているので、においの原因となる細菌の繁殖を抑制し、清潔で快適に着用できる。
 素材感と共に大きくこだわったのが、「動きやすく、フィット感のある立体フォルム」だ。
 肩継ぎを前身側にして身体に沿わせ、フラットシーマーを使用することで縫い目のあたりを軽減。アームホールも腕の可動域に基づく新立体設計を採用し、運動性能の向上とストレス軽減を図り、快適なフィット感を実現している。
 アイテムは、V首半袖Tシャツ¥1,500(+税)や丸首品番半袖Tシャツ¥1,500(+税)、ボクサーブリーフ¥1,500(+税)など、全8種。カラーは、トップスが白、ボトムスがグレー、ネイビー、ブラックの3色展開。来春夏から量販店、専門店を中心に本格販売となる。
 開発にあたった田中司フジボウトレーディング企画部課長によると「前シーズンあたりからメンズの下着市場は、コットン製に回帰してきています。『肌綿』は、肌なじみの良さに加え、シルエットを若返らせてフィット感を追求しました。リーズナブルで高級感のあるメンズ下着だと思います」と語っている。
 アウターだけではなく、インナーにもこだわる大人メンズにぴったりの、「価値ある一枚」になりそうだ。


 

   問い合わせ先: 富士紡ホールディングス株式会社
              電話:06-6268-9850  http://www.fujibo.co.jp/




龍田紡績

綿100%の吸水速乾・接触冷感素材
「ドライコットツイスト」

 龍田紡績から、クールビズ向けに最適な吸水速乾、接触冷感の綿素材が開発された。従来の一般的な綿製の吸水速乾加工商品は、加工と織りや生地組織の組み合わせによって効果を発揮するタイプが多いが、「ドライコットツイスト」は糸そのものに吸水速乾加工機能を付けている。
 もともと綿は水をよく吸う繊維。「ドライコットツイスト」は、原料のわた段階で綿自体の改質を行うことにより親水性をもたせ、さらに撥水加工を施した相反する綿と精紡交撚(注1)することで、1本の糸にさまざまな機能が備わった。
 特長は、①綿100%ながら優れた吸水速乾性があり、②接触冷感機能でヒンヤリとした肌触り、③高い高ピル性を実現(ピリング試験A法4-5級)、④毛羽が少なく、美しい上品な仕上がり、⑤シャリ感のあるドライな風合いで涼しさをアップ、⑥わたに加工しているので、洗濯耐久性が向上、⑦綿のソフトな肌触りと心地よさなどを兼ねそなえている。
 開発に携わった中澤暢也取締役部長は、「綿は肌に優しくて、多くの人に好かれる素材です。最近の市場では綿製の吸水速乾性素材が少ないこともあり、綿紡一筋で長年培った当社の技術で、オリジナリティのある今までにない綿素材を開発したいと思いました。この商品は、まさに“1本の糸で7つのおいしい機能を持つ”優れものです」と胸を張る。
 開発までには試行錯誤したという。原綿の選択から紡績方法、親水加工と撥水加工のバランスなど、「糸に機能を持たせることにこだわった」ため、イメージ通りに仕上がるまで苦労の連続だった。その甲斐あって今春披露した展示会以降、問い合わせも多く評判も上々だという。
 本格販売は来春夏向けからとなり、糸売りと生地売りの両方で販売される。主にインナーウエアやスポーツウエア、寝装関連、アウターウエアが中心となるが、毛羽の少なさと上質な光沢を訴求することで、多機能な高級素材としての展開にも期待がかかる


 

   問い合わせ先: 龍田紡績株式会社 紡績営業部 電話06-6201-2609
              http://www.tatsubo.co.jp/




旭紡績

糸屋が作ったこだわりのタオル
気軽に買える高級タオル「ito(イト)」を今秋から本格発売

 日常生活の中でタオルは欠かせない。そんなタオルを「最上質でリーズナブルな価格で消費者に届けたい」との願いから、創業明治16年、130年以上の歴史を持つ老舗の糸屋・旭紡績が、新たなタオルブランド「ito(イト)」を立ち上げた。
 今回発売されるタオルは3種類。同社が持つ綿糸づくりのノウハウを活かし、タオルに適した原綿を厳選し、長年培った紡績技術で開発したタオル用綿糸を用いて、品質の高い品を揃えた。
 1つ目は、スーピマ綿使いで光沢も美しい吸水性抜群、ソフトな肌触り、毛羽落ちが少ないタオル。通常、柔らかいタオルはパイルに甘撚りの綿糸を使用するが、毛羽が多く、使用すると毛羽が肌に残ることがある。また、洗濯を繰り返すと毛羽が抜け、タオルが痩せていくという欠点があった。同社では、これまで培ってきた精紡交撚(注1)とコンパクトスピン(注2)技術を利用することにより、甘撚りで毛羽の少ない紡績糸を開発、通常の2倍近い量の糸をパイル部分に使用することにより吸水性も高めた。
 次に、ペルー綿(タンギス綿70:アスぺロ綿30%)を使ったタオル。タンギス綿、アスペロ綿は、1本の繊維が太くバルキー性に富んでいるが、精紡交撚とコンパクトスピン技術を生かして強撚することにより、吸水性は変わることなくドライタッチな風合いに仕上げている。汗を拭きとった後もべとつかず、タオルを首に掛けてジョギングをする人などに好評だ。このほかにも、ロハス系の人をターゲットにしたオーガニックコットン製タオルも販売される。
 藪内邦義社長は、「タオルは原料と糸の良さがダイレクトに伝わる商品です。我々の思いやこだわりが一番反映しやすい。糸作りのプロとしてのプライドをかけて、質の高いモノづくりを目指しています。国産にこだわりジャパン・コットン・マーク(注3)も付けて、安心・安全で心地よいタオルを提供したいですね」と抱負を語る。
 サイズと価格(税抜)は、それぞれバスタオル62cm×130cm(3,000円)、フェイスタオル34cm×80cm(厚さ1.5倍1,000円、2倍1,250円 厚さはいずれも同社比)、ハンカチ18cm×18cm(500円)。当初は楽天市場の自社店舗で販売するほか、今後は、ネット通販やタオル・寝装問屋などを通じての販売も検討中。


 

   問い合わせ先: 旭紡績株式会社 電話:072-483-4081 
              http://www.asahibo.co.jp/
              http://www.rakuten.co.jp/ito-asahibo/

   Facebook: 「Ito【イト】」
           http://www.facebook.com/ito-asahibo/

(注1)精紡交撚:精紡工程で2本の粗糸それぞれのドラフト・ローラーで細くしたあと1つのリングにかけて撚り合わせて糸をつくる紡績技術。出来上がった糸は単糸だが双糸のような構造をしている。精紡交撚糸は通常のリング紡績糸と比較して、毛羽が少なく、上質な光沢がある。
(注2)コンパクトスピン:コンパクトスピンは精紡機のドラフト工程で繊維束をエアーで内側に組み込む紡績法で、毛羽を少なくすることができる。
(注3)日本国内で製造する高品質の綿素材を使用した製品につけられるマーク。




グンゼ

ブラジャーの歴史を変えた !
KIREILABOⓇ(キレイラボ)
「肌側綿100%ノンワイヤーブラジャー」
「肌側綿100%ロングガードル/ショートガードル」を発売

 “肌がよろこぶスキンウェア”として女性に人気の肌着ブランド「KIREILABOⓇ」から、肌に当たる部分をすべて綿100%にしたブラジャーとガードル(縫糸・転写部分を除く)が発売された。かゆみ、ゴムの食い込みなどを軽減し、綿のやさしさでしっかり整える新発想の「ブラジャー&ガードル」だ。
 業界初となるブラジャーは、グンゼが長年培った技術で開発された「肌側綿100%パワーネット」(特許出願中)によって実現。綿糸とゴム糸、ナイロン糸を特殊技術で編みあげることで、綿糸のみが片側に現れるという新素材だ。 
パワーネットは縦横によく伸び、低着圧でカラダを締め付けず、身体の動きにフィット。着け心地は抜群で、自然で美しいバストラインを保つ。
 ブラジャーのカップ裏や肩紐裏も綿製で、幅広の肩紐は肩への食い込みを軽減。サイドも、脇高設計でハミ肉による段差ができにくい、すっきりしたシルエットに仕上げている。縫製も極力縫い目を減らしたフラット仕上げ、洗濯絵表示もプリントで表示しているため「タグが肌に当たってチクチクする」という悩みも解消されている。
 同時発売の「肌側綿100%ガードル」も、ブラジャーと同じパワーネットを使用した、肌に優しいガードルだ。締めつけすぎず、体にフィットしておなかやヒップ、太もものシルエットを美しく包み込み、動きやすい。ウエストにゴムを使用していないので、腹部に段差ができるのも防いでくれる。服装解剖学に基づき、座った際のお尻の皮膚の伸びを考慮した設計のため、座ってもウエストが苦しくなりにくいという。さらに肌に当たる部分が綿100%のため、一枚履きもできる便利で快適なガードルだ。
 新商品は、ノンワイヤーブラジャーが各¥1,800(税別)、M・L・LLサイズ、3色。ガードルは、ロング¥2,100(税別)、ショート¥1,800(税別)、各M・L・LLサイズ、3色展開となっている。全国の量販店、専門店、オンラインショップなどで発売中。


   

   問い合わせ先: グンゼ株式会社 
   お客様相談室フリーダイヤル 0120-167874
   受付時間 月~金曜日 9:30~17:00(土日祝日・年末年始を除く)
   GUNZEホームページ    http://www.gunze.co.jp/
   KIREILABOブランドサイト  http://www.kireilabo.com/