COTTON DAY 2018

「5月10日は、コットンの日」

COTTON DAY 2018



 
 第23回 「コットンの日イベント」を開催

 国際綿花評議会(CCI)は、5月10日に「コットンの日」を記念した催しを東京で開催しました。当日は、この日のために来日したテッド・シュナイダー国際綿花評議会会長らによるアメリカ綿についての特別セミナーをはじめ、アメリカ綿のイノベーションや可能性、新機能を紹介した「WHAT’S NEW IN COTTON™」の披露、「COTTON USA AWARD 2018」の授与式などを実施。さらに「Tシャツ・プリント・デザイン・コンテスト2018」の表彰式も行われました。
 第2部のレセプションでは、業界約270名、報道関係者約50名が一堂に集い、華やかなイベントとなりました。



 「サステナビリティとCOTTON USA」
  テッド・シュナイダー国際綿花評議会会長が講演
 現在アメリカ綿の生産農家は1万8千軒を超え、その97%以上が家族経営で耕作地に暮らしています。私もルイジアナ州で、100年以上代々受け継ぐ畑で綿花を作り続けていますが、畑が未来の世代に向けた唯一最大の資産であると考え、いち早くサステナブルな農業に取り組んできました。
 COTTON USAの精密農業の導入率は世界でもトップレベルです。精密農業とは、ハイテク技術を導入して、水と化学薬品の使用を減らしながら農作物の高品質・高収量を図る農業管理手法です。畑を無人航空機(UAV)でマッピングし、水と植物保護製品の投入が必要な場所や時期を正確に把握するので、無駄なく効率的に与えることができます。また、水利用効率を高めるセンサーや品種改良などとも連携しながら土壌を守っています。
 こうした継続的な努力が実を結び、過去35年間の環境負荷削減データでは、土地利用31%、土壌侵食44%、水82%、エネルギー38%、温室効果ガス31%(注)と、大幅な削減結果を実現しています。これらを踏まえ、COTTON USAは2025年に向けて資源効率化の分野で業界全体の目標を策定しました。アメリカは、サステナビリティについて計測可能な数値目標を示した唯一の国なのです。
 また、綿作は常に環境とともに労働者の保護についても厳格な規制システムで、連邦・州当局に管理されています。違反した場合は民事・刑事両方の懲罰が科されます。
 現在、私の畑は熊やハクトウワシ、鹿、キツネ、5万羽の雁の仲間が訪れる野生動物が生息する場所になっています。休日には孫たちが近くの川でカヤックを楽しみます。我々生産者は土壌の番人でもあるのです。
 COTTON USAは、これからもより環境に配慮した地球にやさしいコットンを作るために、日々懸命な努力を重ねていきます。

 注:引用元: Field to Market 2016 「環境・社会経済指標報告書」
 
CCI国際綿花評議会 テッド・シュナイダー会長


「COTTON USAの最新情報」についてのプレゼンテーション
 
CCI国際綿花評議会 ヴォーン・ジョーダン副専務理事

ヴォーン・ジョーダン国際綿花評議会副専務理事は、アメリカ綿の生産と輸出の最新情報やCOTTON USAの活動についての講演を行いました。

   「米綿の輸出量は世界の輸出市場の40%のシェアを占め、世界50か国以上で使われています。中でも日本はロイヤルカスタマーであり、長年の大切なパートナーです。日本の繊維業界の皆様の、変わらぬ支援にお礼を申し上げます。今後も日本市場の高いニーズに応え、さらなる協力関係を進展させたい」と謝辞を述べました。
 さらにCOTTON USAが世界から信頼される理由として、確かな品質で安定供給し続けている点やサステナビリティへの取り組みと姿勢、厳しい管理体制、契約の信頼性と透明性、優れたトレーサビリティー・システムなどを解説し、アメリカの綿花業界の現在の姿を紹介しました。


「WHAT’S NEW IN COTTON™ (コットンの新機能)」について解説

 CCI国際綿花評議会 カリン・マルムストローム中国北東アジア担当理事
 カリン・マルムストローム国際綿花評議会中国北東アジア担当理事は、「テキスタイルの各分野でブレンド素材が増え、世の中が変化しています。皆さんにコットンを選んでもらい真の価値を感じてもらうためにはイノベーションが必要だと考えました。そこでCOTTON USAがリーダーシップをとるために新たに打ち出したのが、「WHAT’S NEW IN COTTON™」です。
 昨秋のプルミエールヴィジョンでは、革新的な技術と新しいアイデアを取り入れ、コットンのイノベーションや新機能を追求したアメリカ綿使いの製品を展示し、皆様のビジネスにもたらす新たな可能性について提案しました。
 今回は、主にサステナブルな技術で作られたイノベーション・パートナーの製品をファッションショー形式で紹介しています。クリーンで環境への配慮があり、さまざまな用途に対応するハイテク綿製品をご覧ください。
 アメリカ綿は品質、一貫性、革新性で優れ、世界で信頼されています。COTTON USAでは、コットン・イノベーションに関する最新情報をお届けしていますので、いつでもお問い合わせください」と語り、「日本でもイノベーション・パートナーを募っています」と締めくくった。
 「WHAT’S NEW IN COTTON™ (コットンの新機能)」を披露
 WHATS NEW IN COTTON™」は、COTTON USAが目指す新たなコットン革命。アメリカ綿の新たな可能性を具現化した取り組みです。技術、ファッション、ブレンド、プロセスなど、あらゆる分野で柔軟な発想と新しいアイデアを取り入れた綿製品を紹介しています。
 

 今回ご紹介した機能は、InTech Digital Technology社の「地球に優しいデジタルプリント」、Celliant 社「疲労回復」、Applied DNA Sciences社「DNAによるトレーサビリティ」、Proneem社「防臭・吸湿」、Life Material Technologies 社「植物エキスによる抗菌作用」、Solucell社「軽量・快適」、TryCo社「上質な経編コットン」の7点とほかホームテキスタイル3点。


Tシャツ・プリント・デザイン・コンテスト2018表彰式

 グランプリ作品の発表と表彰が行われ、野上義博日本紡績協会会長から、
受賞者の杉本裕一さんに賞状と賞金が授与されました。
 
野上義博日本紡績協会会長(左)と
グランプリ受賞者の杉本裕一さん(右)

2018年度入賞作品のご紹介


広瀬アリスさんに「COTTON USA AWARD 2018」を授与
 アメリカ綿の持つ「優しさ、さわやかさ、清潔感、責任感」などのイメージにふさわしい著名人に贈る「COTTON USA AWARD 2018」の授与式を行いました。この賞は、国際綿花評議会が5 月 10 日の「コットンの日」を記念して2004年から毎年行っています。
 今年の受賞者は広瀬アリスさんです。コットンのようなやさしいイメージに加え、多彩な役柄に誠実に取り組む姿勢が、常に改良のために革新を続けるCOTTON USAと重なり、選出しました。 
 
赤いコットン製のドレスで登場した広瀬アリスさん
 国際綿花評議会のシュナイダー会長から楯を受け取った広瀬さんは、「今年で芸能活動10年になりますが、初めて賞をいただいたのでとても嬉しいです。本当に光栄です。コットンは肌触りがいいので大好きです。服はもちろん、タオルなど、日々愛用しています」と、満面の笑顔で喜びを語りました。 
 【プロフィール】
1994年生まれ、静岡県出身。2008年「死にぞこないの青」で女優デビュー。NHK連続テレビ小説「わろてんか」で、売れっ子漫才師リリコ役を好演し話題となった。現在、映画やドラマなど数々の作品で活躍中。

 COTTON USA AWARD過去の受賞者


 「日本の高い技術によってつくられた綿の機能素材」も展示

 紡績9社(ユニチカトレーディング、東洋紡、シキボウ、ダイワボウノイ、クラボウ、富士紡ホールディングス、日清紡テキスタイル、龍田紡績、近藤紡績所)の各社にご協力いただき、高機能素材の展示も実施しました。

   

イベント内でデジタル集計によるリアルタイムのアンケートも実施

 初の試みとして、来場者の生のご意見をうかがうアンケートを実施しました。イベントの進行に合わせて、リモコン操作によるデジタル集計の結果発表が好評でした。また終了時に来場者にご記入いただいたアンケート用紙には、「アメリカ綿への理解が深まった」や「COTTON USAのサステナブルな取り組みや姿勢がよくわかった」などのご意見が多数寄せられました。

 


  レ セ プ シ ョ ン
日米の綿業界の皆さんが親交を深め、和やかなムードに包まれた一日でした。
 
主催者挨拶をする野上日本紡績協会会長