プレスリリース

 
2022年11月16日


U.S.コットン・トラスト・プロトコル
年次報告書を公表
2021/2022綿花年度は登録作付面積が増加、
環境パフォーマンスの向上を示す


サステナビリティ指標における農場レベルのデータの大幅な改善
参加メンバーは堅調に増加、紡績・メーカー等の参加メンバーは50%増、
  登録作付面積は倍増、ブランド・小売企業の参加メンバーは40社に
9件の試験運用が成功裡に完了、新たに15件が開始予定
サステナビリティ・プログラムとして国際的な認定を受ける

 テネシー州メンフィス(2022年11月10日)—U.S.コットン・トラスト・プロトコルは、2021/2022綿花年度(2021年8月1日~2022年7月31日)の成果をまとめた、第2回となるアニュアルレポートを発表しました。農家レベルのデータと科学に基づくサステナビリティ・プログラムであるトラスト・プロトコルは、サステナビリティ測定指標の大幅な改善、バリューチェーン全体における参加メンバーの増加、9件の試験運用の成功裡での完了、第三者機関や政府機関からの国際的な認定などを主な成果として報告しています。

サステナビリティ成果の拡大
 2021/2022年度におけるトラスト・プロトコルの農場レベルのデータをまとめた結果、参加農家は6つの主要なサステナビリティ指標における顕著な改善成果を示すことができました。トラスト・プロトコルが提供するメンバー共有データと総合的なサステナビリティデータを活用し、参加農家が達成した2021/2022年度の実績は次の通りです 。

 土地利用効率が13%改善、水使用効率も14%改善しました。
 エネルギー使用量は25%削減しました。
 温室効果ガス排出量は21%削減しました。
 土壌侵食は78%削減しました。
 参加農家の70%が、土壌保全指数を改善しました。

バリューチェーン全体における参加メンバーの増加
 トラスト・プロトコルへの参加メンバー数は、米国内外ともに堅調な伸びを示しています。

 登録されたアメリカ綿作付面積は運用開始年から倍増し、110万エーカー
  (44万5千 ヘクタール)になりました。
  米国の17の綿花生産州すべてに登録農場が揃いました。
 紡績・メーカー等のサプライヤーメンバーが大幅に増加。
  30カ国から計820社。
  前年度比50%以上の増加。
 ブランド・小売企業の参加数は40社に拡大。
  ラルフローレン、J.クルー、テスコ、リーバイ・ストラウス社、GAP、
   オールド・ ネイビーなど、グローバルブランドや大手小売業者が名を連ねています。

適切なスケールアップ
 トラスト・プロトコルは、ブランド・小売企業のサプライチェーンにおいて、アメリカ綿およびプロトコル綿の動きを最終製品に至るまで記録、追跡するための技術的ソリューションの試験運用、検証、適切なスケールアップを行っています。そうすることで、これまで大規模な運用ができなかった複雑なサプライチェーン全体での追跡を実現させています。

 グローバルブランド・小売企業および約150の工場が参加した9件の試験運用を完了。
 さらに125の工場を加え、15件の試験運用の開始が確定。

国際的な認定
 2022年、トラスト・プロトコルは2つの主要評価機関から国際的な認定を受けました。

 2022年5月、トラスト・プロトコルは、Siegelklarheitからサステナブルコットン基準
  として承認されました。  
  ドイツ連邦政府のイニシアチブ「Siegelklarheit」(英語で“seal clarity”の意味)は、
   透明性の高い独立した総合評価組織であり、消費者がよりサステナブルな購買
   決定を行えるよう信頼できるラベルの情報を提供しています。
 2022年6月、トラスト・プロトコルは、ISEALコミュニティメンバーに認定されました。
  プログラム運用開始からわずか18カ月で厳格かつ綿密な承認審査を通過し、ISEALコミュ
   ニティメンバーに認定されました。
  ISEALは、世界的なコンセンサスに基づいて、サステナビリティ・システムのための信頼
   できる実践方法を定義することなどにより、世界の最も差し迫った課題に取り組む意欲的
   なサステナビリティ・システムとそのパートナーを支援しています。

 U.S.コットン・トラスト・プロトコルのプレジデントであるGary Adams博士は、成果について次のように述べています。
 「素晴らしい成果が示されましたが、さらに注目すべきは、規制環境の変化によって監視の目が一層厳しくなり、またアメリカ綿栽培農家は生産コストの高騰や異常気象に悩まされるなど、さまざまな試練があったなかでこのような成果が達成されたということです。昨年度は、粘り強く献身的に取り組んだ1年でした。それはつまり、基盤拡大に重点を置き、慎重かつイノベイティブな意思決定を行ったということです。
 基盤拡大の継続とプログラムの成功のために、私たちは揺るぎない姿勢で、6つの主要環境指標の継続的な改善に向けて取り組んでいる参加農家を持続的に支援していく必要があります。最新技術のイノベーションと実装に重点を置き続けることも、栽培農家をサポートし環境フットプリントの改善を促進するうえで重要な要素です。
 本レポートを見ていただければ、主要サステナビリティ指標において栽培農家が目覚ましい改善成果を達成し、また、栽培農家、紡績会社、メーカー、ブランド・小売企業などの参加メンバー数の増加が示すようにサプライチェーン全体から積極的な反応を得ていることがお分かりになると思います。
 栽培農家の参加メンバーを増やしていくことで、主要指標の将来的な環境パフォーマンスも変化していくものと予想しています。最終的に最大限のインパクトをもたらすためには、トラスト・プロトコルへの最大限広範な参加および最高の環境パフォーマンスの実現が必要となります。この2つの目標達成を目指して取り組んでいくと同時に、プログラムが成長拡大していくなかでも将来の見通しについてパートナーに対し透明性を確保していきたいと考えています」

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U.S.コットン・トラスト・プロトコルについて

 
2020年に開始されたU.S.コットン・トラスト・プロトコルは、よりサステナブルな綿花生産に向け新しい基準を設定しています。最もサステナブルで責任ある技術を用い、地球の保護と保全への貢献を確かなものにします。農場レベルの科学的根拠に基づくプログラムで、6つの主要なサステナビリティ指標において具体的数値目標を設定し、測定と検証を行うとともに、サプライチェーンの透明性を品目レベルで提供できる唯一のサステナブル・コットンです。
 U.S.コットン・トラスト・プロトコルは、アパレルブランドや小売企業、市民社会、外部のサステナビリティ専門家、および栽培農家、繰り綿業者、綿花商、卸売業者、協同組合、紡績会社、綿実取扱業者を含む綿花業界の代表など、複数の利害関係者で構成される理事会の監督下に置かれています。
 詳細については、 TrustUSCotton.org をご覧ください。


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