綿100%の風合いと吸水性を兼ね備えた難燃衣料品 溶接用ユニフォーム「BODY BARRIER®/ボディバリア」 ダイワボウプログレスが、コットンの良さを最大限に活かした難燃衣料品の本格販売を開始した。溶接作業用ユニフォーム「BODY BARRIER®/ボディバリア」として展開する。 同社では、長年英国Rhodia 社のライセンス生産で、綿100%難燃素材「PROBAN®(プロバン)」をテキスタイル中心に販売してきたが、一部別注品としてプロバン製の溶接用ユニフォームも大手建機メーカーに販売してきた。その商品が現場の職人たちに大変評判が高く、販売要望の声が高まったことからブランド化の運びとなったという。 新たに発売する「BODY BARRIER®/ボディバリア」は、企画段階から現場の声を生地仕様やデザイン面で取り入れて開発された。一番重要視したのは“綿100%の吸湿性と快適性”と“火花から体を守る高い安全性”を両立したことだ。特長は、①高い難燃性・難燃耐久性で熱溶融しない、②綿ならではの着心地の良さと高吸水性、静電気発生が少ない、③ノンハロゲン(※)なので環境にも優しい、④洗濯300回後も難燃性を維持、⑤使用後は焼却処分しても有毒ガスが発生しないなど、多くが配慮されている。 プロジェクトの中心となって開発を進める産業資材営業部土木重布販売課の西村繁治氏は、「お客さんに喜んでもらえる商品が一番良い商品だと思い、素材感やデザインを幾度も試作を重ねました。カッティングなどで大きく作業効率が変わるため、様々な部分に工夫を盛り込んでいます。モノの良さをどんどん伝えていきたいですね」と語る。 商品のラインナップは、頭巾、袖付前掛け、ベスト、エプロン、腰下前掛け、腕カバー、タオルなど、用途に応じてさまざまなアイテムが揃う。 ダイワボウプログレスでは、ブランド立ち上げを機に、綿100%製難燃加工素材の販売全般を促進する「プロバンプロジェクト」も立ち上げた。生地売りと製品売りの両輪で、国内の鉄鋼、建機、自動車、輸送用機械の製造現場や学校などへ幅広いプロモーションを行う。さらに新規取引先の開拓を進め、アセアン地域での海外販路の拡大も進める予定。 ※ノンハロゲン:塩素・フッ素等のハロゲン化合物などを用いないこと。オゾン層破壊防止への対応などで注目される取り組みのひとつ 問合せ先: ダイワボウプログレス株式会社産業資材営業部 電話:06-6281-2413 http://www.daiwabo.co.jp/ 太陽光を反射することで、温度の上昇を抑える 綿素材の遮熱加工「シャーネッツ」 ここ数年の夏場の暑さは過酷を極めている。特に屋外作業や長時間太陽光を浴び続ける際は、時に熱中症の危険もある。シキボウが今秋発表した新素材「シャーネッツ」は、太陽光による熱上昇を抑えて、少しでも涼しく快適に過ごせるように開発された加工だ。 今まで、“清涼”を謳う素材は、接触冷感加工やキシリトール加工などの繊維に冷たさを感じる成分を付与するタイプや、サッカーやクレープに代表される組織で涼しくなるものがある。だが「シャーネッツ」は、太陽光の熱を遮断することで暑さを軽減しようという発想から生まれた。 「シャーネッツ」は、遮熱効果の高い特殊なセラミックを繊維表面に後加工して、紫外線や赤外線を乱反射させ、暑くならないようにした。繊維表面で熱をブロックすることで、生地も生地の裏側が暑くなりにくいという加工だ。 開発技術部部長の辻本裕氏によると、「この技術は屋根に塗る塗料に使用されていますが、繊維製品には加工そのものが難しい。表面に膜を作れば簡単に光による熱は遮断できますが、繊維には隙間があるのでいかに安定させるか。さらにセラミックの種類が大変多く、適合するセラミックの選択とその大きさ、配合量の兼ね合いが課題でした」という。商品は、綿の柔らかい風合いはそのままに、吸水性がよく、ムレにくい素材になっている。 本格販売は2015年春夏から。屋外作業服やユニフォーム、カジュアルシャツ、アウトドアウエア、テントなどのアウトドア用品、カーテンなどのインテリア、帽子、資材など、幅広い分野での活用が見込まれている。 他の加工との併用も要望に合わせて検討する。さらに光を跳ね返すという性質から、UV効果や顔料に光が届きにくいため耐光堅牢度向上にも期待が高まる。 問合せ先: シキボウ株式会社 戦略素材企画推進室 電話:06-6268-5553 http://www.shikibo.co.jp/ 生地の表裏に異なる機能性を付与した 「EBRIQ® AntiFace®/イブリック® アンチフェイス®」 クラボウの人気シリーズ・電子線グラフト重合加工「EBRIQ®/イブリック®」に新たな活用方法が加わった。生地の表と裏にそれぞれに異なる機能を付与した「イブリック® アンチフェイス®」の登場だ。季節に応じて2タイプあり、秋冬用は、表側に汚れ防止機能、裏側に吸湿発熱機能を持ったタイプ、春夏用には表側に撥水機能、裏側に接触冷感機能を付与した。冬は暖かく、夏は涼しい快適素材となっている。 イブリックは、電子線を使って天然繊維を分子レベルで改質し、機能が長期間持続するクラボウ独自開発の技術。天然繊維の柔らかく肌触りの良い風合いはそのままに、多機能を併せ持つ加工だ。すでに同シリーズでは、抗菌、消臭、吸湿発熱、防炎、接触冷感などが開発され、多くのジャンルで展開している。 イブリック® アンチフェイス®の主な用途は、メンズのボトムスを中心に、ジャケット、カジュアルウエア、介護用品分野だが、展示会での発表以来、取引先からの評判は上々だという。 開発に携わる繊維事業部マーケティンググループ主任の内田淳氏によると「イブリック®だからできる表裏が異質の機能を持つ素材。さらに、表と裏の機能を変化させることができるため、大きな可能性を秘めている」と語る。 現在、同社で検討されているのは、表側に汚れ防止や撥水、肌側に抗菌加工の「クレンゼ®」や吸水速乾、抗菌消臭、防臭などの付帯機能との組み合わせで、今後も顧客の注文に応じて柔軟に組み合わせを変更し、よりニーズに合った素材開発を考えている。 問合せ先: クラボウ 繊維事業部 電話:06-6266-5303 http://www.kurabo.co.jp/cotton/ |