COTTON TOPICSバックナンバー

【2014 WINTER】


シキボウ

「SEK防汚加工マーク」第1号取得の花粉対策繊維
「花粉フリー®」


 花粉アレルギーで悩む人は年々増加し、春は受難のシーズンと言う人も少なくない。シキボウがこのほど開発した花粉対策繊維「花粉フリー®」は、そんな憂鬱な季節に最適な綿素材だ。
同社では、数年前から「カウンターペインP®」という花粉対策素材を発売しているが、今回の「花粉フリー®」は、今まで培った技術をもとにして、昨秋新設された「SEK防汚加工マーク」の花粉汚れ性試験に対応した素材として開発された。
 特長は、ズバリ「花粉がつきにくく、落ちやすい」点だ。花粉は通常繊維に付着すると落ちにくく、組織に入り込んで長時間衣服上にとどまりやすい。アレルギーを持つ人にとっては、花粉をできるだけ体に寄せつけないことが鉄則だ。「花粉フリー®」は花粉を汚れととらえて“つきにくく落ちやすい ”というシンプルな防汚機能を付与した。SEK検査基準に適合するため、指定の織り組織や柔軟剤などの仕上げ方も工夫され、花粉の汚れ度合いの判定では、SEK基準4~5級の最高レベルを取得している。
 主な用途は、シーツ、布団側地などの寝装品やコート、ジャケット、パンツなどのアウターウエア、ユニフォームで展開し、特にSEK認証商品を求める顧客向けに注力していく。発売は今冬から先行し、本格的な発売は、2015年の花粉シーズンに対応する予定。


 


   お問合せ先: シキボウ株式会社 戦略素材企画推進室 電話:06-6268-5553
             http://www.shikibo.co.jp/
            

            



第51回「全国ファッションデザインコンテスト」

日本綿業振興会賞は手仕事をモダンに仕上げた作品に

 第51回全国ファッションデザインコンテスト(財団法人服飾教育振興会・学校法人杉野学園主催)が、昨秋10月12日、東京・目黒の杉野ホールで開催され、日本綿業振興会賞が、愛知県出身の林しほさんに贈られた。
林さんは、愛知文化服装専門学校の2年生。2096点のデザイン画による応募作品の中から、入選した48名の一人に選ばれ、実物制作を経て最終審査のファッションショーに臨み、見事に賞を射止めた。
 手芸が趣味という家庭の雰囲気もあり、手作りが大好きという林さんの作品は、細かな手仕事を上手に活かした、モダンなワンピース。一見スポーティで着やすいリアルクローズだが、重ね合わせたテキスタイルは、平織りの経糸と緯糸を抜きとり、それを絡めてまつり上げ、下地にとめるという、手の込んだ技法でつくられている。本来はスクェアな形が、地の目を歪ませることによって、様々な変化のある多角形になり、遠目からは円や楕円が連なっているように見える。モデルが動くたびに揺れ動く模様は、オプティカルで、ヴィクトル・バザルリの錯視画を思わせる。
 また襟や袖口、ウエスト部分には、ブルゾンなどによく使われるリブニットがあしらわれていて、このニットもミシン糸を5本取りして撚り、家庭用編機で編んだ手作りという。
 手の温もりを感じさせる凝った布を丁寧につくり、それを今風に仕上げているところが評価された。これからのファッションの未来を担う、若い力に励ましのエールを送りたい。