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【2021 SPRING】


日本航空

日本初!回収した綿衣料品から製造した純国産バイオジェット燃料で 初フライトを実施

 
JALは、将来の国産バイオジェット燃料の実用化に向けた取り組みの一つとして、Green Earth Institute、日本環境設計、公益財団法人地球環境産業技術研究機構をはじめとする複数の国内企業の協力のもと、一般消費者から回収した綿衣料品から、日本初の国産バイオジェット燃料を製造した。
 2月4日に東京(羽田)-福岡線(JAL319便、ボーイング787-8型機)で、国産バイオジェット燃料を搭載した初フライトが運航され、国内線定期便での運航は初めての試みとなり、新たな一歩を踏み出した。  

当日使用されたボーイング 787-8 型機材        


 同社では、2018年10月から国産バイオジェット燃料の製造に挑戦するプロジェクト「10万着で飛ばそう!JALバイオジェット燃料フライト」を開始。全国から集まった約25万着の衣料品を分類し、その内綿80%以上のものを選別。綿の成分であるセルロースを糖に変換し、その後、コリネ型細菌を使ってイソブタノール(アルコールの一種)に変換して濃縮し、触媒反応させることでバイオジェット燃料を生成した。国際的な燃料規格(ASTM D7566)の適合検査に合格後、既存のジェット燃料と混合させ、一般のジェット燃料として商用フライトへの搭載が可能となった。


 バイオジェット燃料は欧米を中心に開発や実用化の動きが進んでいるが、国産のバイオジェット燃料は今後期待される分野。JALグループでは、「2050年までにCO2排出量実質ゼロ」を目指しており、その中でバイオジェット燃料は、CO2排出量の削減に大きな効果があるとし、以前から燃料の製造開発に取り組んできた。環境負荷の低減を目指し、JALでは「豊かな地球を次世代に引き継ぐ責任を果たし、地球にやさしいことが“当たり前”となるように、これからも気候変動への課題解決に挑戦していきたい」としている。  

 バイオジェット燃料のサンプル(写真提供:OnTrip JAL

 バイオジェット燃料の開発促進と活用企業サイト
https://www.jal.com/ja/sustainability/environment/climate-action/saf/